内田樹著「もういちど村上春樹にご用心」の中で、著者は「頭で考えるタイプの人間か」「身体で考えるタイプの人間か」と問われ、頭で考えるよりも書いてみないと解らない「身体で考えるタイプの人間」だと答えます。同様に、村上春樹さんも同じで書いてみないと解らない「身体で考えるタイプの人間」と答えたとの事。
私もそうだ!・・・とは言えるほどでもありませんが、書いているうちに「こんな事が書きたかったのだ」と、思うことがしばしば(ほとんど)です。
ちなみに、この「身体で物を考える」という文章を書いているうちに「アセスメント(情報収集)の取り方とは、受動的か能動的か」というネタを思いつき、一本のネタが出来そうですが・・・これはまた別の機会に。
何が言いたいのかと言うと「身体で考えるタイプ」の私が、書く時間もない程に忙しいという言い訳をしたくて書き始めた次第。
「映画『すずめの戸締り』と『サーダカ(沖縄の方言で霊感が強い)』との共通点」とか「アセスメントをインテリジェンスと言い放ったった前の職場の上司の意図とは」等、ネタは「頭で考える」ものの、書き出すと全然違う内容になるのだろうなと思う私でした(この文章も何度か推敲を重ねたりしてこじれている始末)。
ちなみに、このネタも全然、着地点が違っていて面白いなと思った次第(お後がよろしいようで)。
先日、利用者様の認定調査の立ち合いで訪問した時の話です。介護保険の更新に伴い認定調査を受ける事になったのですが・・・その時の利用者様は、体調だけではなく精神的にも不安定な方で、今回の介護認定の結果によってはご本人やご家族の生活まで大幅に調整が必要になるかも・・・という事例で、ご家族とご本人から日ごろのご様子を丁寧に聞き取りを行い、調査員に現状を正確に伝えられるように打ち合わせを行いました。私の至らなさゆえ、切羽詰まった雰囲気が利用者様やご家族に伝わったのか緊張が高まっていくのが伝わりました(反省しきりです汗)。
認定調査の当日、時間に併せて調査員と利用者様の自宅へ訪問し、調査が始まることとなりました。私は緊張を顔に出さず平静を装っていましたが、心境は緊張マックス(昭和な表現ですいません)。
調査員の開口一番「○○から来ました認定調査員の○○と言います。本日はお時間を取ってもらい、ありがとうございます」と、聞き取りやすく丁寧なあいさつに一気に緊張が解ける利用者様とご家族さん。調査の聞き取りやご本人の動作確認も順調に終わり、正確に聞き取り調査から正確に介護度の認定に反映されるだろうと実感を得ました。何よりも感銘を受けたのが、調査員さんの一つ一つの所作や言葉遣いを含めたその方の「人柄」でした。
今回も、Google先生からお力を借ります。「人柄とは」で検索すると・・・
人柄とは、その人に備わっている性質や品格のことで、過去の経験や道徳面から評価されることが多い。人柄が良いとは、上品な立ち振る舞いや言葉遣い、気立てや人間性が優れていると感じられることで、見る人によって基準は変わる。人柄は品格の高さや低さを見極める部分でもあり、優劣や順位付けができるとも言える。人柄は周囲が自然に感じる性質であり、素晴らしい人であると感じる様子であるとも言える。
と、抽象的なお言葉を先生から頂きました。不思議なのは、人柄を「過去の経験や道徳面から評価される」と言うこと。あくまで後天的に身につく能力?ということだと思います。又、「自然に感じる性質」とあり、他者に押し付けができる能力?でもないのが面白く難しいところだと思います。
お若い方でしたが、人柄の良い調査員さんに比べ、怠惰に人生を生きてきたわが身を省みては猛省しきりの私でした(お後がよろしいようで)。