ブログ|指定居宅介護支援事業所イデア idea

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~職員募集について~

イデアでは増員に伴う職員(介護支援専門員)を大募集です。詳しくは、ホームページ内の求人情報を参照されて下さい。又、過去のブログでも書きましたが、イデアでは在宅ワークや直行、直帰等の管理が職員の業務の裁量の範囲内で自由に決められます。入社後に支給されるノート型パソコンやアンドロイド携帯機器など、ICT機器を活用する事で事務所にいなくても、手元のパソコンでデータや書類(FAX)も含めて自由に確認ができるので、あえて事務所に出勤する手間もかかりません。それでも「事務所に来れば誰かの顔も見られるし、おしゃべりもできるから」と、賑やかな雰囲気で職員の皆さんが事務所で話している風景を見ると「二人で始めたイデアも大きくなったなぁ・・・」と感慨深いです。そんなイデアでは、今では5名の職員が働いています。令和7年4月には新たに事務員も配置予定です。

 

現在(R6.11月時点)では、ホームページ上のみで応募しています。応募際にはお電話もしくはお問い合わせフォームからお気軽にご応募ください。お問い合わせお待ちしております。担当:屋比久まで

「在宅ワーク」の功罪と「ケアマネージャー」としての働き方について~その②~

以前もご紹介(その①参照)しました。ケアマネージャーと言う仕事は、コロナ禍前(イデアが起業したのは、新型コロナウイルスが流行る直前でした)から在宅ワークと相性が良く、自宅で仕事が出来る環境を整備すれば仕事も生活の質も向上するはずだと常々考えていました。実際に、起業当初からイデアでは在宅ワークとICTの整備に特に力を入れています。ICTの取り組みが遅れているとされる介護業界にあって、沖縄県内で在宅ワークができる環境の事業所ランキングがあるとすれば、その末尾に入ると思って自負しています。

前回に引き続き、事業所立ち上げから4年。イデアで実際に私が感じた「管理者は見た、聞いた」内容を基に、在宅勤務のメリット&デメリットを運営の立場から考えてみたいと思います。

課題:2 勤怠の管理の難しさに関して

テレワーク勤務ではオフィス勤務よりも従業員の勤怠管理が難しいとされています。2020年11月に三菱UFJリサーチ&コンサルティングが出したデータによると、テレワークを導入・実施していない理由として「従業員の勤怠管理や在席・勤務状況の確認が難しいから」との回答が14.6%でした。

通常の勤怠管理で多いのはタイムカードやICTカードをオフィスで読み込んで打刻するなど、客観的な記録によって勤務時間が確認される仕組みです。

一方、テレワークでの勤怠管理は、勤怠管理システムを導入しない場合エクセルなどの電子ファイルの出勤簿などに自己申告で記入する、上長などへのメールでの報告などの自己申告によって成り立つものが多いです。そのため従業員側も管理者側も信憑性にやや疑問を感じざるを得ません。

【まとめて紹介】テレワークにおけるメリット・デメリットとは?|法人のお客さま|NTT東日本 より抜粋

イデアでは、勤怠管理の一環として上長(管理者)へのICTツール(主にlineワークス)による報告を以って勤怠管理を行っています。

テレワークや事務所への出勤も含め、始業は、8:00を原則としており、弊社の就業規則できちんと明記されています。ですが、在宅ワークを「勤務時間を自分で自由に決められる」と勘違いする職員もいて「始業時間を過ぎても一向に報告が無い」「そもそも勤怠の管理を理解していない」等、タイムカードが無いゆえに、勤怠への語弊も生まれています。

イデアでは、何度もミーティングを重ねては勤怠の重要性を話しており、遅刻に関して(始業時間及び終業時間にlineでの報告が無い、もしくは平気で遅れて報告を行う職員に対して)は減給への処置も対応しています。

皆が、決められたルールを守るだけで快適な職場環境が出来るはずが、一部の守れない(自分勝手に解釈をする)職員がいるとルールを厳格化せざるを得ない現状もあったりする訳であります。

「テレワーク」の功罪と「ケアマネージャー」としての働き方について~その①~

以前、紹介したブログの内容から抜粋します。『国土交通省の2023年度調査によると、直近一年間に自宅などでテレワークをした会社員、公務員らの割合は16.1%で前年度から2.7ポイント減ったという記事を見ました。新型コロナウイルス感染症対策として普及したテレワーク(在宅ワーク)だが、週に1回~2回だけテレワークをする人の割合が増えており、出社と併用した働き方が広がりつつあるようだ』と記事は締めくくっています。

ケアマネージャーと言う仕事は、コロナ禍前(イデアが起業したのは、新型コロナウイルスが流行る直前でした)から在宅ワークと相性が良く、自宅で仕事が出来る環境を整備すれば仕事も生活の質も向上するはずだと常々考えていました。実際、起業当初から在宅ワークとICTの整備に力を入れて、沖縄県内では在宅ワークができる環境の事業所ランキングとして末尾に入ると思います(そのようなランキングがあればですが)。

今回は、事業所立ち上げから4年。イデアで実際に私が感じた職員から聞いた「管理者は見た聞いた」内容を基に、在宅勤務のメリット&デメリットを運営の立場から考えてみたいと思います。

課題:1 従業員のオンとオフの区別が出来なくなるのでは?と言う不安に対して

仕事とプライベートの距離感は人それぞれです。「家で仕事をしていると、緊張感が無くなる」「家事をしながら仕事ができるので助かる」「通勤時間の渋滞が緩和されるのでストレスがない」「気を抜くと、時間外や土日でも仕事をしてしまう」と、言ったメリット、デメリットが挙げられます。

イデアでは、事務所への出勤も在宅ワークも自由でlineワークスにスケジュールの報告をすれば自由に働き方は選べるメリットはそのまま。かく言う、私は「在宅勤務中心派」。毎週、月曜にイデアで開催される週間ミーティング以外は基本的に在宅ワークから始めます。

その理由は、今年、娘が保育園から認定こども園へ進級したことで登園時間も変わった事。送り迎えは基本、私の役割だけれど、こども園の受け入れが保育園より30分遅い。それだけで事務所へ出勤が間に合わない。毎週、月曜は祖父(私の父)に、朝の送りを頼むのが精いっぱいなので、このシフトは今年四月からシフトは譲れません(威張るな)。

会社の代表(私)がこんな調子なので、朝は事務所に居ないのが当たり前の風景。管理者(私)が朝に事務所に居ないのは良いか悪いかは置いておいて、大事なのは「出勤か在宅ワークか選べる自由がある」という職場風土が大事だと思います。「職場の皆、(特に上司)が、毎日、朝早くから出勤しているので、在宅ワークがやりにくい」という空気は微塵も無いイデアの職場環境でした。

逆にデメリットとしては、「家で仕事をしていると、緊張感が無くなる」について。イデアでは、在宅ワーク及び事務所へ出勤も自由に任せています。「事務所で仕事をする方が集中できる。仕事の事で解らない事があれば、他のケアマネさんから聞けばいい。たわいない話をして愚痴や不満を発散したい」と、そう言って用事がないのに(失礼)事務所に来て過ごされるケアマネさんもいます。

ただ、時間外の労働は控える様に職員に言い聞かせています。パソコンからFAXを送ると通知が私に来るようになっています。土日に通知が来ると「時間外に仕事をしないように」と、伝えています。これは、後日話す「イデアの成果主義の功罪」と、原因が重なると思います。

後は、「家で仕事をしていると、緊張感が無くなる」ですが・・・。たまには良いのではありませんか(小声)。ケアマネージャーと言う仕事は精神的にとても疲労する「感情労働」の最もたる仕事だと思います。疲れたなら、少しくらい布団にダイブしても誰も見ていませんよ。ウフフ・・・ 御後がよろしいようで。それでは・・・

(イデアでの「在宅ワーク」の功罪と「ケアマネージャー」の働き方について~その②~ へ続く)

マナビノチカラ ~その②~

ケアマネジャーとして業務をしていると、「知識」の必要性を嫌と言うほど実感します。もちろん、どの職業、職種においても、「知識」と「経験」は必要だと言える事でしょう。医療や介護、福祉においても、特にケアマネジャーのお仕事に関しては、学ぶことを続ける事が出来る人じゃなければ続けていくことはできないと思います。

 

いきなり、私個人の経験談で恐縮ですが、今から、17年前に無資格で「介護業界」に飛び込んだ私。「子供の頃から祖父母に育てられたので、恩返しだと思いこの仕事を選びました」と、モチベーション高く、当時は若かったこともあり身体的な負担や夜勤も厭わず介護の現場が自分にはとてもあっていたと感じました。職場環境もそうですが人間関係も含めてとても毎日が勉強で楽しく「これは、私にとって天職だ」と想ったことが昨日の事のように思い出せます。

ある日、介護職として働いていた私に看護部の部長さんが私に言いました。「あなたは、とてもこの道に向いている人だと思う。だからこそ言うけれど、この仕事を選んだからには一生懸命に学びなさい。自己流になったらいけない。自己流になると人は視野が狭くなる。テキストに書かれている先人の知識と経験を学びなさい」と真剣に話してくれました。「知識があれば、自分の仕事に説明ができる。根拠がある、裏付けされたケアに対して人は信頼するものだ」と、部長は話されていました。そのエピソードを忘れた事はありません。

 

ケアマネジャーの業務は、利用者やご家族が抱える問題に対して解決に導く為に知識と経験に培った能力が問われます。様々な問題(困りごと)に対して、状況に応じて利用者への問題解決に対して社会資源(介護保険制度をはじめとした社会保障の知識)に精通するだけではなく、インフォーマルサポート(家族だけでなく地域の協力も含む)を活用する必要もあり、思いもよらないトラブルに対して臨機応変に対応を問われます。

「デイサービスを週3回にヘルパーを週1回、お掃除でスケジュールを組みましょう」と、介護保険サービスに繋げれば利用者やご家族の問題がすべて解決する!と言うのなら、ケアマネジャーは必要ないと思っています。私個人の意見ではありますが、心の底では密かに思っています。「介護保険に繋いだから介護のすべてが解決できるほど、人間はそんなに単純じゃねぇんだよ」って。

 

利用者やそのご家族を含めて支援していく前提として必要な条件が「信頼関係」を築くことが大前提だと、どのケアマネジャーに聞いてもそう答えると思います。単純に信頼関係とは何かと言われて「私は、利用者や家族と信頼関係はできている」と、私も含めてそう思ってしまいがちです。ですが、大切なことは「この人は信頼できる人だ」と思うのは、私ケアマネジャー側からの意見では無く、あくまで利用者やご家族の立場からの評価だという事です。そして、利用者や家族という相手の心の中身は知れるはずもありません。「ケアマネジャーはいつも、利用者や家族から試されている」と、思って私は毎回、訪問時に面談に臨みます。初回の訪問から始まり、毎回すべての面談が真剣勝負で利用者やご家族の話を聴き、真摯に対応しています。解らない事に対しては相手に対して説明する事も大事です。私が解らない事に対しても、きちんとお調べをしてから回答すると言う対応も大事にしています。ですが、それ以上に「相手の話に対して真摯に耳を傾けて傾聴する」と言う姿勢さえも知識がないと実践できません。コミュニケーション能力が高くないとケアマネジャーのお仕事は出来ないのかと、思うかもしれませんが「対人援助技術」と言う知識を学ぶ事でスキルを高めます。

 

他にも、おすすめの書籍として「頭のいい人が話す前に考えていること(安達裕也著)」は、どなたが読んでも学びになる一冊だと思います。書籍の中で「話が浅い人の特徴」として、①根拠が薄い、②言葉に鈍感、③成り立ちを知らない、三つを挙げます。詳しくは著書に譲りますが、この本を読んで思い出した言葉が「この仕事を選んだからには一生懸命に学びなさい。自己流になったらいけない。自己流になると人は視野が狭くなる。テキストに書かれている先人の知識と経験を学びなさい」「知識があれば、自分の仕事に説明ができる。根拠がある、裏付けされたケアに対して人は信頼するものだ」と、若い頃の私に話してくれた看護部長の話を思い出す未熟な私なのでした。

ブログを書いて想うことなど

このブログでは、指定居宅介護支援事業所イデアの紹介や、日々の業務を通して思う事を書させて貰っています。又、日ごろのお仕事の中で思う事を書いています。ただ、このブログを書いていて、常に思う事は、文章としてストレートに表現すると、書いている意図が正確に伝わらないのでは、読む人に不愉快にさせるのではないか?という不安が頭を過ぎります。仮に、このブログを読んでくださる人が「介護をされているご家族」や「介護や医療・福祉に携わる方」と仮定した場合、読んでくださる方に対しては特に読後の感想が気になります。私の立場として、利用者を始め介護者に対しては真摯に向き合うと同時に、介護事業者や医療・福祉の支援者に対しては尊敬を持って書かせてもらっています。

10年以上も前の話です。それまで、アナログな人間として生きてきましたが、ある日、iPhoneというおもちゃを手に入れた時、流行りの玩具を手に入れ子供の様にSNSを通して秘匿性が担保されたシステムを利用し、自分の思う事を述べたこともありました。個人情報に配慮した上での意見でしたが、日常で誰も言わない意見を素直に述べた事で多大な反響があった時にSNSの怖さを実感しました。同時に事情を知らない方からの批判や中傷を目にしてアカウントを閉鎖しました。

自分の意見を発信する怖さを知りながらも、あえて、ホームページを作成した時に、ブログで自分が思う事を素直に(個人情報に配慮しながら)書いてみようと思いました。ですが・・・途中で「この文章を読んでくれた人がどう思うか」を考えると、言い訳を考え文章をつけ足してみる等、個人に対しての批判や意見ではない事を文章で延々と連ねていくうちに「書きたい文章は、コレではない」と、思うことも増えてきました。先程、書いたブログ『利用者の「幸せ」とは何かをケアマネの視点から考える』というタイトルの長文を丸ごとボツにしました。書いた文章が、意見が正しく伝わる自信がないと思い破棄しました。今、長文を書いた時間を回収したくて余話としてこの文章を書いています。

事務所でよく職員に話します。人と人とのコミュニケーションに難しさについて。一方的なコミュニケーションである「ブログ」でさえも読んだ人の読後感で不愉快にさせてはいけないと思います。かと言って有益になる情報も書ける力も力量もない袋小路に迷いこむ今日この頃です。

老後の「おひとりさま」を「ケアマネ」の立場からみる

「結婚していてもしていなくても、最後は必ずひとりになる。でも、知恵と工夫さえあれば、老後の一人暮らしは怖くない」と、謳ってベストセラーになった、上野千鶴子著「おひとりさまの老後」。上野千鶴子氏のファンで過去の著書は何冊も読んでいるのだが、高齢者を支援する立場から、この本だけは素直に読めなかった私に改めて考えさせられる本を先日読んだ。

タイトルがズバリ、沢村香苗著「老後ひとり難民」だ。「世はおひとりさまブームだが、『ひとり』のまま老後を迎えて本当に大丈夫だろうか?」と、警鐘をならす。配偶者や子供などの「身元保証人」がいない高齢者は、入院だけでなく、施設への入居を断れることも多い。認知機能や身体機能の低下が原因で起こる様々な老後の現実問題を提起した一冊になっている。

実際に、新規相談で依頼があった際に、イデアでも事前に確認する基本情報として「キーパーソン(身元保証人)」の有無を確認する事になっている。キーパーソン不在「おひとりさま」だと、困難事例の扱いになってしまうケースもある。もちろん、そうならないように事前の確認や関係機関との連携を密に図り支援に臨むわけだが、「おひとりさま」に対応できる「ケアマネ」もベテランのケアマネに委ねるなど対応は限られている。

実際に著書「老後ひとり難民」を読んだときに考えさせられたのだが、「介護保険は面倒を看る事のできる家族が居る事を前提に制度設計されている」という、沢村氏の指摘が秀逸だった。戦後、同じように創設された年金制度も老後は子供たち、同居家族の世話(扶養)になることを前提に制度を設計されている。そうでないと、老齢基礎年金だけで老後の独り暮らしができるはずもないのは明らかだ。

厚生労働省の構想では、市町村や社会福祉協議会(社協)などの相談窓口に「コーディネーター」を配置し、法律相談や終活支援、財産管理、死後の残置物処分等を委託できる民間業者へ繋ぐとしているが、民間業者も少なく値段もピンキリで法的な制度もされていない。例え契約が出来たとしても、「支払った金額に対して対価を感じられない」と、トラブルになるケースも多い。「もし、認知症なって意思決定が難しくなったら、体が言う事が利かなくなったら・・・」と考える事を、そもそも想像したくも無いという高齢者も多いのが、現場で働いていると実感として感じる(あくまで、私個人の意見です)。

身寄りがいない「おひとりさま」利用者の身元保証人の代わりの役割を誰が対応するのか?が、疑問になる。「病院受診に自分で行けなくなったら誰が連れて行ってくれるの?」「銀行から金銭の引き出しをするの?コンビニで公共料金の支払いを誰がしてくれるの?」「入院になったら誰が連帯保証人になるの?入院中の必要な物品や差し入れは誰が持ってくるの?」「自分が亡くなったら誰が住まいを、葬儀をしてくれるの?」と、答えはもちろん教科書に書いてある(はずだ)。

問題なのは、実際に誰が「社会資源に繋げる為の手続きをするのか」である。社会資源に繋げる前に、利用者から制度の説明と承諾を得る必要がある。制度や民間事業者に繋ぐともちろん費用も発生する。費用の面ももちろん説明する。すると、「お前(私:ケアマネ)に頼めばタダでやってくれるのだろう?」と、過去に言われたことも実際にあることも記しておきたい。又、「おひとりさま」を支援していて感じるのは家族(身元保証人)の役割は「ケアマネ」に丸投げすればよいという『無言の圧力』だ。例の一つとして「ケアマネが病院受診の付き添いをしれくれる」と、医療機関からも実際に言われた事がある。現場では実際に対応しているケアマネも多く業務の圧迫になっている。

国会では介護保険法の制度見直し時期になると「ケアマネも自己負担を導入するべき」という論調が挙がってくる。利用者から自己負担を頂くと、公正中立が保てなくなる云々の前に「ケアマネの業務の範囲内を明確にすべきだ」と、何年も前から思っていた。ようやく「ケアマネのシャドウワーク(業務範囲外の仕事)」を明確すべきだと論議が上がってきたのは喜ばしい事でもある一方で・・・「トイレットペーパーの芯を流したら便所が詰まったから直しに来い!」と、利用者に言われて仕事帰りに便所掃除に行ったことが昨日の事の様に思いかえされる私です。お後がよろしいようで・・・。

※参考文献:上野千鶴子著「おひとりさまの老後」、沢村香苗著「老後ひとり難民」、橘玲著、「D・D(どっちもどっち)論~解決できない問題~には理由がある

人の話を聴くことはとても難しい訳で

先日、琉球大学医学部付属病院でお仕事をされる臨床心理士の金城隆展先生の研修に参加してきました。実は過去に先生の研修に参加した経験があり、講義を聞いた事をきっかけに社会福祉士を取得するきっかけを下さった先生でもあり、講義前から楽しみでした。

 

講義の議題として「難病患者の受容・意思決定について」という内容で、難病患者の疾病受容意思決定を再考するという題目を基に哲学的視点や倫理学と言う座学だけでの範囲では無く、あくまで現場から実際の患者さんの視点に立った内容から医療や福祉、介護における課題や問題を提起される内容でした。実際は、様々な動画(映画の一場面を引用した)や書籍からの引用等を中心とした内容で専門的な知識もなく、ただ物語として楽しめる事が出来て、それでいて腑に落ちる内容にまとめられるのも講師の力量だと思いました。

 

そこで、質問。「ある日、突然宣告された病名(難病)に対し、病状の進行で苦しむ患者さん。病名(難病)の宣告を受け入れられずとても混乱している。あなたは、その患者さんを助けたいと思いました。そこで、自分の出来る事や支援できる事を伝えているが、患者さんはその提案を、支援を拒否している。聞く耳を持たない。そんな状況であなたができる事は何かありますか?」という問題。あなたならどうしますか?という難問。そんな問題を解決できるマニュアルがあるなら、ぜひ教えて欲しい(他力本願な私)。

 

支援者(特に私)は「患者さんを社会資源(介護保険サービス)で困りごとを解決できるはずだ」と、無意識に思いがちで「困っている患者さんにサービスを提案する事がケアマネの仕事」だと思いがちです。患者さんの話を聴いている傍から「どんなサービスを提案してやろうか」そればかり考えている私です。

 

でも、実際はそうではないと先生は説きます。「病気で苦しむ、こんなはずではなかったという想い。病気を否定したい思い。家族や周りに対する迷惑や申し訳なさやみじめさ。そういった思いをひたすらに聴くこと。その想いに寄り添う覚悟が必要だ」と、話されます。間違っても、「この話をされたらリハビリを紹介してやろう」等とさかしらに語ってはいけないと、まさしく「傾聴」に徹すべきだと注意喚起されていました。

全身全霊で人の話を聴くってとてもしんどいのです。「話す相手の身になり、本人の置かれている状況や人間関係、病状や不自由な身体的精神的な環境を我が事の様に感じながら人の話を聴く。」毎日、それをできる人を心から尊敬する今日この頃です。と、修行が足りないわが身を嘆く日々です。

「つながる権利」と「ケアマネジャーのお仕事」について

三連休も最終日な今日、沖縄では旧盆で夏休みを迎える為、明日からの仕事に憂鬱な思いでパソコンを叩いています。連休中も、携帯電話やパソコンに色々な連絡があり着信音が鳴るたびに胸が締め付けられます。仕事との距離感を取りたい今日この頃です。

私がケアマネとして仕事を始めた頃、ある先輩が言った印象的な言葉があります。「ケアマネはパソコンと携帯電話とFAX機器があれば仕事ができるから、これらが小型化できれば家で仕事ができるのに」と話していました。今から10年チョット前の言葉だけれど「それ」が今は現実になっているから驚きです。

特に、コミュニケーションツールの要である携帯電話の進歩が目覚ましいと思います。Lineアプリで気軽に連絡が出来て、内容を読んでくれた証である「既読」が付くのも便利で有難いなぁ~と。アプリ機能だけではなく、ショートメールにも同じ機能が付く時代になりました。繋がり易い世の中だからこそ、最近はその弊害も感じる様になったというのが今回の主題でもあります。

連休中に読んだ本、ブレイディみかこ著「転がる珠玉のように」というエッセイで「つながらない権利」というタイトルを読んだ。著者の、みかこと出会ったとある女性がメールで上司とのやり取りにストレスを感じているという話。「夜とか早朝にも(上司からの)メッセージがくるのがつらくて。勤務時間外にさすがに電話は無いけど、既読になっているのがわかると返事しないわけにはいかないし」と、愚痴をこぼすシーンが印象的だった。「スマホはライフワークバランスの敵だなって、つくづく思う」と笑っていたが、人間はコンピュータではないから24時間繋がっている訳にはいかないと著書は話す。タイトルの中のエッセイでは話していなかったけれど「時間外に連絡をしてくる上司は、今も(早朝、夜)仕事をしている」ってアピールされているのも辛いのではと感じた。これも一種のハラスメントだなって思う訳で。

私も、利用者のご家族や事業所に時間外の連絡を取ることもある。緊急ではない要件なら、連絡をとる(電話であれメールであれlineもしかり)時間帯は配慮しなければと感じる。忙しい時間帯は避ける等の配慮は必要だ。少なくとも急ぎの要件であるなら、口頭や文面で一言謝るくらいは必要だと思う。

事務所に居る時は、他の職員の電話の受け答えには耳を傾けてコミュニケーションには注視(注耳?)している。だけど、職員一人一人、着信の履歴(時間帯)やメールの内容、lineの内容までチェックする訳にはいかない。「常識の範囲内で」と思って通信機器を渡しているが、モラルや管理が追い付いていないと感じる今日この頃です。

明日、週明けのミーティングで口酸っぱく言ったとしても、自分の真意が職員に正しくに届くかを考えると、今(連休最終日の夕方)から、全職員にグループlineで注意喚起しようかと考える私がいて「つながらない権利」を理解できない自分に反省しきりである。

「ケアマネ難民」をつくらないために出来ること

国は超高齢化社会に備え、ケアマネージャーがいない事で介護保険制度が利用できないという、いわゆる「ケアマネ難民」を作らない様に、介護支援専門員の人材確保を視野に令和6年度の制度改正・報酬改定において過去に類のない取り組みを行っている。ただ、国の意図とは反するかのように、厚生労働省が7月31日に公表した最新の統計では、今年4月の居宅介護支援事業所(ケアマネージャー)数は3万6459件。前年同期から738件(約2%)少なくなった。減少は6年連続で毎年少しづつ居宅介護支援事業所(ケアマネージャー)が減っていく事象が起こっている。

ここからの引用は「一般財団法人 長寿社会開発センター ケアプラン作成業務に従事していない介護支援専門員に関する実態調査 調査結果サマリー」からのデータによるが、転職理由の上位に上がる理由として「給与が低い」が挙げられる。左の理由に関しては予想されるとしても「仕事に魅力を感じない」「将来性を見いだせない」など専門職として仕事への本質的な部分に直結する理由も大きな課題と言える。

事業所として大事な職員を辞めさせない事が一番のポイントだが、転職理由の上位に上がる理由「給与が低い」に関しては汗顔の至りで今後も改善していくとしか言えないわけで・・・(がんばります)。ケアマネージャーが業務の中で何を負担に感じていたのかをデータを基に検証したい。今回は「介護支援専門員として従事していた時に感じていた負担」として一番多かった意見で「ケアマネジメントの本来業務」を取り上げたい。

イデアでは新規相談の受け入れ状況に関しては、毎週初めにミーティングの中で各職員の新規相談対応の進捗状況と併せて担当できるか確認を行っている。事務所運営に関しては、各ケアマネが件数を持ってもらわないと経営が成り立たないので新規の依頼を受けて欲しい。一方で、既存の利用者様への対応や本来の業務をこなしていく中で新たに新規を受け入れる労力と負担はかなり重たい。「イデアでは新規の依頼があった時に断ったことは一度もないよ」なんて、職員に言おうものならモラハラ一直線である。もちろん職員とコミュニケーションを都度、取りながら対応の有無を確認して新規依頼をお受けしている。又、頑張りに併せて、インセンティブ(評価手当て)を職員に還元している。介護難民を作らない為に出来る事は、イデアで働く職員を守る事であり、職員(ケアマネージャー)を守る事が利用者やそのご家族の幸せを守ると思われる。

 

「福祉に携わる人間が幸せであるように、自身の頑張りや努力が自身の成果に反映されるような職場環境を整えます。職員の働き甲斐と幸せが、利用者の幸せに繋がるように努めます。」

 

わが社の企業理念の一つを添えて筆を置くとします。

「新規依頼」の受け入れについて(7月第3週~)

指定居宅介護支援事業所イデアでは、毎週週初めに新規依頼の動向と受け入れについて検討しています。

 

7月第3週の新規依頼の動向について・・・

 

介護支援専門員6名対応にて、現在、要介護12件を対応させて頂いております。現在、受け入れは可能です。ぜひ、お問合せ下さい。

 

要支援の依頼についても問い合わせを頂きます。ご夫婦でお一人が「要介護」もう御一方が「要支援」等のご両親の支援など状況に応じてお受け入れも可能です。又、身寄りが居ない利用者に関しては、高齢者支援協会と契約している等であればご相談に応じられる場合もあります。

 

在宅で介護保険を利用してサービスを受けたい、有料老人ホームへ入居を予定してるが、ケアマネが居ない、区分変更申請をしたい等、状況に応じて対応させて頂きます。

 

ご要望が有りましたら「098-863-2700(担当:屋比久)」までお気軽にお問い合わせください。よろしくお願いします。