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月別アーカイブ: 2024年8月

「つながる権利」と「ケアマネジャーのお仕事」について

三連休も最終日な今日、沖縄では旧盆で夏休みを迎える為、明日からの仕事に憂鬱な思いでパソコンを叩いています。連休中も、携帯電話やパソコンに色々な連絡があり着信音が鳴るたびに胸が締め付けられます。仕事との距離感を取りたい今日この頃です。

私がケアマネとして仕事を始めた頃、ある先輩が言った印象的な言葉があります。「ケアマネはパソコンと携帯電話とFAX機器があれば仕事ができるから、これらが小型化できれば家で仕事ができるのに」と話していました。今から10年チョット前の言葉だけれど「それ」が今は現実になっているから驚きです。

特に、コミュニケーションツールの要である携帯電話の進歩が目覚ましいと思います。Lineアプリで気軽に連絡が出来て、内容を読んでくれた証である「既読」が付くのも便利で有難いなぁ~と。アプリ機能だけではなく、ショートメールにも同じ機能が付く時代になりました。繋がり易い世の中だからこそ、最近はその弊害も感じる様になったというのが今回の主題でもあります。

連休中に読んだ本、ブレイディみかこ著「転がる珠玉のように」というエッセイで「つながらない権利」というタイトルを読んだ。著者の、みかこと出会ったとある女性がメールで上司とのやり取りにストレスを感じているという話。「夜とか早朝にも(上司からの)メッセージがくるのがつらくて。勤務時間外にさすがに電話は無いけど、既読になっているのがわかると返事しないわけにはいかないし」と、愚痴をこぼすシーンが印象的だった。「スマホはライフワークバランスの敵だなって、つくづく思う」と笑っていたが、人間はコンピュータではないから24時間繋がっている訳にはいかないと著書は話す。タイトルの中のエッセイでは話していなかったけれど「時間外に連絡をしてくる上司は、今も(早朝、夜)仕事をしている」ってアピールされているのも辛いのではと感じた。これも一種のハラスメントだなって思う訳で。

私も、利用者のご家族や事業所に時間外の連絡を取ることもある。緊急ではない要件なら、連絡をとる(電話であれメールであれlineもしかり)時間帯は配慮しなければと感じる。忙しい時間帯は避ける等の配慮は必要だ。少なくとも急ぎの要件であるなら、口頭や文面で一言謝るくらいは必要だと思う。

事務所に居る時は、他の職員の電話の受け答えには耳を傾けてコミュニケーションには注視(注耳?)している。だけど、職員一人一人、着信の履歴(時間帯)やメールの内容、lineの内容までチェックする訳にはいかない。「常識の範囲内で」と思って通信機器を渡しているが、モラルや管理が追い付いていないと感じる今日この頃です。

明日、週明けのミーティングで口酸っぱく言ったとしても、自分の真意が職員に正しくに届くかを考えると、今(連休最終日の夕方)から、全職員にグループlineで注意喚起しようかと考える私がいて「つながらない権利」を理解できない自分に反省しきりである。

「ケアマネ難民」をつくらないために出来ること

国は超高齢化社会に備え、ケアマネージャーがいない事で介護保険制度が利用できないという、いわゆる「ケアマネ難民」を作らない様に、介護支援専門員の人材確保を視野に令和6年度の制度改正・報酬改定において過去に類のない取り組みを行っている。ただ、国の意図とは反するかのように、厚生労働省が7月31日に公表した最新の統計では、今年4月の居宅介護支援事業所(ケアマネージャー)数は3万6459件。前年同期から738件(約2%)少なくなった。減少は6年連続で毎年少しづつ居宅介護支援事業所(ケアマネージャー)が減っていく事象が起こっている。

ここからの引用は「一般財団法人 長寿社会開発センター ケアプラン作成業務に従事していない介護支援専門員に関する実態調査 調査結果サマリー」からのデータによるが、転職理由の上位に上がる理由として「給与が低い」が挙げられる。左の理由に関しては予想されるとしても「仕事に魅力を感じない」「将来性を見いだせない」など専門職として仕事への本質的な部分に直結する理由も大きな課題と言える。

事業所として大事な職員を辞めさせない事が一番のポイントだが、転職理由の上位に上がる理由「給与が低い」に関しては汗顔の至りで今後も改善していくとしか言えないわけで・・・(がんばります)。ケアマネージャーが業務の中で何を負担に感じていたのかをデータを基に検証したい。今回は「介護支援専門員として従事していた時に感じていた負担」として一番多かった意見で「ケアマネジメントの本来業務」を取り上げたい。

イデアでは新規相談の受け入れ状況に関しては、毎週初めにミーティングの中で各職員の新規相談対応の進捗状況と併せて担当できるか確認を行っている。事務所運営に関しては、各ケアマネが件数を持ってもらわないと経営が成り立たないので新規の依頼を受けて欲しい。一方で、既存の利用者様への対応や本来の業務をこなしていく中で新たに新規を受け入れる労力と負担はかなり重たい。「イデアでは新規の依頼があった時に断ったことは一度もないよ」なんて、職員に言おうものならモラハラ一直線である。もちろん職員とコミュニケーションを都度、取りながら対応の有無を確認して新規依頼をお受けしている。又、頑張りに併せて、インセンティブ(評価手当て)を職員に還元している。介護難民を作らない為に出来る事は、イデアで働く職員を守る事であり、職員(ケアマネージャー)を守る事が利用者やそのご家族の幸せを守ると思われる。

 

「福祉に携わる人間が幸せであるように、自身の頑張りや努力が自身の成果に反映されるような職場環境を整えます。職員の働き甲斐と幸せが、利用者の幸せに繋がるように努めます。」

 

わが社の企業理念の一つを添えて筆を置くとします。