先日、琉球大学医学部付属病院でお仕事をされる臨床心理士の金城隆展先生の研修に参加してきました。実は過去に先生の研修に参加した経験があり、講義を聞いた事をきっかけに社会福祉士を取得するきっかけを下さった先生でもあり、講義前から楽しみでした。
講義の議題として「難病患者の受容・意思決定について」という内容で、難病患者の疾病受容意思決定を再考するという題目を基に哲学的視点や倫理学と言う座学だけでの範囲では無く、あくまで現場から実際の患者さんの視点に立った内容から医療や福祉、介護における課題や問題を提起される内容でした。実際は、様々な動画(映画の一場面を引用した)や書籍からの引用等を中心とした内容で専門的な知識もなく、ただ物語として楽しめる事が出来て、それでいて腑に落ちる内容にまとめられるのも講師の力量だと思いました。
そこで、質問。「ある日、突然宣告された病名(難病)に対し、病状の進行で苦しむ患者さん。病名(難病)の宣告を受け入れられずとても混乱している。あなたは、その患者さんを助けたいと思いました。そこで、自分の出来る事や支援できる事を伝えているが、患者さんはその提案を、支援を拒否している。聞く耳を持たない。そんな状況であなたができる事は何かありますか?」という問題。あなたならどうしますか?という難問。そんな問題を解決できるマニュアルがあるなら、ぜひ教えて欲しい(他力本願な私)。
支援者(特に私)は「患者さんを社会資源(介護保険サービス)で困りごとを解決できるはずだ」と、無意識に思いがちで「困っている患者さんにサービスを提案する事がケアマネの仕事」だと思いがちです。患者さんの話を聴いている傍から「どんなサービスを提案してやろうか」そればかり考えている私です。
でも、実際はそうではないと先生は説きます。「病気で苦しむ、こんなはずではなかったという想い。病気を否定したい思い。家族や周りに対する迷惑や申し訳なさやみじめさ。そういった思いをひたすらに聴くこと。その想いに寄り添う覚悟が必要だ」と、話されます。間違っても、「この話をされたらリハビリを紹介してやろう」等とさかしらに語ってはいけないと、まさしく「傾聴」に徹すべきだと注意喚起されていました。
全身全霊で人の話を聴くってとてもしんどいのです。「話す相手の身になり、本人の置かれている状況や人間関係、病状や不自由な身体的精神的な環境を我が事の様に感じながら人の話を聴く。」毎日、それをできる人を心から尊敬する今日この頃です。と、修行が足りないわが身を嘆く日々です。